趣里の評価を決定づけたのは、NHKの連続テレビ小説『ブギウギ』でのヒロイン・花田鈴子役である。笠置シヅ子をモデルとした難役に対し、歌唱、ダンス、そして情感あふれる演技で見事に応え、お茶の間を熱狂の渦に巻き込んだ。
毎朝テレビの前で娘の勇姿を見守っていた父・水谷豊の喜びは想像に難くない。関係者によれば、普段は厳格な視点を持つ水谷も、画面の中で全身全霊のパフォーマンスを披露する娘の姿に深く胸を打たれ、親しいスタッフに「あれは本当に凄いよ」と目を細めて漏らしていたという。
朝ドラの過酷な撮影スケジュールを乗り越え、国民的ヒロインとしての地位を確立したことで、彼女は完全に「水谷豊の愛娘」という枠組みから解き放たれ、日本を代表するトップアクトレスへと昇華した。