なぜ人は目元で嘘をつくことができないのか。そのメカニズムは脳科学と自律神経系によって説明がつく。
人が強い興味や好意、あるいは警戒心を抱いた瞬間、瞳孔は自分の意志とは無関係に開閉する。交感神経が優位になれば瞳は自然と開き、恐怖や緊張を感じれば収縮する。理性によるコントロールが及ばない領域だからこそ、視線は隠しきれない感情のバロメーターとなる。
心理学で注目される「微小表情(マイクロ・エクスプレッション)」も重要だ。わずか0.04秒という一瞬の間、目元に浮かぶピクつきや筋肉の緊張は、脳の扁桃体が反応した生々しい痕跡である。