米林才子は、CCG(喰種対策局)が開発した新技術によって喰種の能力を移植された実験部隊「クインクス班」の初期メンバーだ。しかし、彼女自身は正義感や復讐心から戦場に身を投じたわけではない。母の経済的欲望によって半ば強制的に施術を受けさせられたという、痛切な生い立ちを抱えている。
現場への出動を拒み、サボり癖の抜けない彼女を包み込んだのが、班の指導者であった佐々木琲世だった。琲世を「ママン」と呼び、家族としての温もりに触れたことで、才子の閉ざされた心は少しずつ氷解していく。ただの怠け者に見えた少女は、過酷な組織の中で「家族を守る」という純粋な倫理観を静かに育んでいた。