地上波テレビの均質化が進む中、異彩を放ち続けたのがTOKYO MXで長年放送された『西部邁ゼミナール』だった。毎週、骨太な知識人たちを迎え、煙草の煙をくゆらせながら交わされた重厚な議論は、テレビという媒体の限界に挑む稀有な試みだった。
現在、その貴重な番組アーカイブや対談映像がYouTubeをはじめとするデジタルプラットフォームで再配信され、リアルタイムの西部を知らないデジタルネイティブたちの間で急速に再生回数を伸ばしている。テロップと煽り文句に満ちた短尺動画に倦怠感を抱く人々が、長尺で繰り広げられる西部の論理的かつ滋味あふれる語り口に、知的な快感を見出しているのだ。