もちろん、タイヤ製造業の技術進化を否定するわけではない。世界的な自動車産業を支える各メーカーは、目覚ましい新技術を投入し続けている。
オールシーズン市場の先駆者であるGoodyear Vector 4Seasons Hybridは、四季の変化に富む日本国内の路面環境に合わせたバランスの良さでロングセラーを誇る。また、近年プレミアム全天候型として評価を高めているMichelin CROSSCLIMATE 2は、独自のVシェイプトレッドデザインによって夏タイヤ同等の耐摩耗性と高次元の静粛性を兼ね備える。
だが、これら最先端モデルのカタログスペックをもってしても「物理的な氷上摩擦係数の限界」を突破することはできない。メーカー自らが「氷上路面での走行はスタッドレスを推奨する」と明記している通り、進化を遂げたプレミアムモデルであっても冬専用タイヤの領域には届かないのだ。