かつて日本の芸能界においてヒットの法則とされたのは、親しみやすさや爽やかさを前面に出した「王道アイドル」や「正統派俳優」のスタイルだった。しかし、2026年現在のエンタメシーンを観察すると、評価の軸足は明らかに「色気」と「ミステリアスさ」へとシフトしている。
大手芸能プロダクションのキャスティング担当者は匿名を条件にこう明かす。「以前なら『爽やかな笑顔』が第一条件でしたが、今は演技の端々に滲み出る艶やかさや、どこか危うさを感じさせる雰囲気がなければ、配信ドラマの主演に抜擢されにくくなっています。視聴者が求めているのは、完璧に整った美しさではなく、揺れ動く感情を揺さぶる生々しさなのです」。この変化は映画やドラマにとどまらず、音楽ユニットのプロデュースや広告グラフィックの現場にも急速に波及している。