現代の妊婦を苦しめるもう一つの要因が、SNSによる「他者との比較」です。「つわりが辛くて起き上がれない」という他人の投稿を見るたびに、「なぜ自分は平気なのか」と自己嫌悪に陥る悪循環。これを専門家は「サイレント・プレグナンシー・ギルト(無症状の罪悪感)」と呼んでいます。
妊娠の経過は十人十色であり、標準モデルなど存在しません。つわりが軽いことは、決して母親としての自覚が足りないわけでも、赤ちゃんが弱いわけでもありません。他人のタイムラインから一時的に距離を置き、自分の呼吸と体調だけに集中する時間が、現代の妊婦には不可欠です。