劇場の扉が開くと、そこは生身の人間と観客の感情が真っ向からぶつかり合う真剣勝負の場だ。なんばグランド花月の立ち見客まで埋まった客席から放たれる熱気の中、彼女は一瞬の隙も見せずに舞台を支配する。
ボケ役の強烈な個性を正面から受け止め、時に鋭くツッコみ、時に自らもズッコケる。吉本新喜劇という長年の歴史を持つ様式美の中で、自身の役割を完璧に理解し、即興の呼吸で笑いを倍増させる。ベテラン座員たちの懐に飛び込みながら、自らの存在感を鮮やかに主張する度胸。それこそが、彼女が劇場で長年信頼され続けてきた最大の理由だ。