物語の舞台は、世界を滅ぼさんとする魔王の玉座。選ばれし勇者一行は幾多の試練を乗り越え、ついに最終決戦へと到達します。しかし、魔王が展開した多重障壁と超高密度の魔力フィールドはあまりにも強大で、いかなる上級魔法も、聖なる加護を受けた剣技すらも傷一つつけることができませんでした。
絶体絶命の危機に直面し、パーティー全員に絶望が広がったその時、勇者が放ったのがあのセリフ――「剣投げるしかねーか」でした。
この勇者が剣を投げる理由は、極めてシンプルかつ狂気に満ちています。勇者は「剣で斬りつけても威力が足りないなら、自分のあり余る腕力で聖剣を音速超えの投擲武器として射出すれば、質量と速度でどんな障壁も粉砕できる」という超理論を導き出したのです。
この決断に対し、個性豊かな勇者「剣投げるしかねーか」の登場人物たちが織りなす掛け合いは本作最大のハイライトです。
「正気か!? 聖剣は投げるもんじゃない!」「手放したら二度と使えないんだぞ!」と必死で制止する魔法使いや僧侶に対し、勇者は涼しい顔でフォームを整えます。そして対峙する魔王も「おい待て、勇者よ何を構えている……? なぜ槍投げの姿勢なんだ?」と困惑を隠せません。聖剣投擲ネタとしてのテンポ感とシュールな絵面が、読者の笑いを一気に加速させます。