彼の真骨頂といえば、何と言っても時代劇での静かなる圧倒的存在感だろう。国民的時代劇『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』をはじめ、NHKの大河ドラマや名作サスペンスドラマに至るまで、出演作は多岐にわたる。
特に殺陣の美しさと、端正な和装の着こなしは目を見張るものがある。背筋を伸ばし、一刀のもとに敵を倒す所作には、父・阪東妻三郎から受け継がれた無駄のない身体表現が息づいている。一方で、現代劇のサスペンスドラマで見せる複雑な葛藤を抱えた人物像の造形も見事であり、善人から狂気を孕んだ人物までを自在に演じ分ける振れ幅の広さが、長年にわたりお茶の間に愛され続ける理由だ。