「鈴木敏文の息子」という看板は、ビジネスの世界において強力な武器であると同時に、常に過酷な比較や憶測に晒される重荷でもありました。しかし康弘氏は、父が築いたリアルの流通モデルに対し、テクノロジーによる構造改革を愚直に提案し続けてきました。
2016年の騒動当時は「世襲の道具」のように報じられた側面もありましたが、現在ではデジタルシフトウェーブの事業実績や業界団体でのリーダーシップを通じて、独力の実力派ビジネスリーダーとしての評価を完全に定着させています。
父である敏文氏が「リアルの店舗網と単品管理」で20世紀の流通革命を起こしたとすれば、息子の康弘氏は「ITとデータ活用」で21世紀の流通進化を牽引しており、親子二代にわたって異なるアプローチで日本産業界に貢献していると言えます。