漁港の喧騒から少し足を延ばすと、荒々しい太平洋の白波が打ち寄せる犬吠埼の絶景が広がる。白亜の犬吠埼灯台がそびえ立つ断崖は、日本で最も早く初日の出を拝める場所としても有名だ。水平線が丸みを帯びて見えるダイナミックな景観は、訪れる者の心を捉えて離さない。
この雄大な自然と哀愁漂う港の風景は、多くの文化人や芸術家を惹きつけてきた。大正ロマンを代表する画家・詩人の竹久夢二もその一人だ。彼は銚子の海を頻繁に訪れ、海を見つめる乙女の姿や切ない旅情を多くの作品に残した。波の音を聴きながら沿岸を歩けば、夢二が詩に詠んだ詩情と歴史の余韻が今なお色濃く残っていることを実感できる。近年は地域全体で観光業の再興が進み、歴史散策とグルメを組み合わせた体験型観光が人気を集めている。