二つの簿記検定を分かつ最大の要因は、その設立目的と対象読者層にある。日商簿記は主に一般企業で働く社会人や就職活動を控えた大学生を視野に設計されており、実務に直結する商業簿記・工業簿記の知識を問う。経済活動の最前線で役立つ実践力が試される場と言っていい。
対する全商簿記は、主に商業高校に通う高校生に向けた教育カリキュラムの一環として構築されている。高校の授業内容に即した標準的な難易度に設定されており、学習の達成度を測る意味合いが強い。受験者の大半が高校生という環境であり、社会人がゼロから受けるケースは稀だ。この前提の違いを知らないまま選択すると、後でミスマッチに苦しむことになる。