佐川急便が運賃改定に踏み切った背景には、一過性の資材高騰だけでは片付けられない複数の要因が複雑に絡み合っています。物流の現場で何が起きているのか、核心となる3つの理由を紐解きます。
第一の理由は、トラックドライバーの時間外労働に上限規制が課された物流2026年問題への継続的な対応です。労働時間短縮に伴う輸送能力の不足を補うため、佐川急便をはじめとする物流各社は中継拠点の新設や自動仕分け設備の導入を急ピッチで進めてきました。加えて、深刻なドライバー不足を食い止めるための賃上げや待遇改善原資の確保は、運賃引き上げなしには成立しない段階に達しています。
第二の要因は、燃料費や施設維持費の急騰です。原油価格の変動リスクを抑えるため、運送業界では燃料サーチャージの適用が進んでいますが、電力料金や車両購入・維持コストの高止まりは依然として経営を圧迫しています。持続可能な配送インフラを維持するための設備投資コストが、改定運賃に織り込まれる形となりました。
第三に、都市部を中心とした再配達問題の長期化が挙げられます。ラストワンマイル輸送にかかる人件費や車両運行ロスは莫大であり、配送効率の改善に向けたシステム投資が不可欠となっています。