小説としての面白さもさることながら、アニメーションにおける「音声化」も西尾言語の魅力を語る上で外せない。超高速で繰り出される長台詞、息をつく暇もない掛け合い。声優陣の極限の滑舌によって声を与えられた言葉たちは、活字とはまた異なる音楽的なグルーヴ感を帯びて耳に飛び込んでくる。
単なる「説明台詞」が、声優の演技と西尾独自の韻律(リズム)によって極上のエンターテインメントへと変貌する。視覚で文字を追い、聴覚で音を味わう。この二重の体験が可能なコンテンツは、現代のエンタメ界を見渡してもきわめて稀有だと言わざるを得ない。