『リッチマン、プアウーマン』において小栗旬が演じた日向徹は、時価総額3000億円とも評されるITベンチャー企業「NEXT INNOVATION(ネクスト・イノベーション)」の代表取締役社長です。高卒でありながら驚異的なプログラミング技術と直感的な先見性で会社を急成長させた一方で、心因性の心身性認識障害(人の顔と名前が一致しない病気)を抱え、他者への不信感を露わにする孤独な青年でもありました。
この「圧倒的な天才性」と「壊れそうな脆さ」という二面性を、小栗旬は圧倒的なリアリティと熱量を込めて熱演しました。デスクに縛られず自由闊達に社内を歩き回り、ホワイトボードに革新的なUI(ユーザーインターフェース)の構想を描き出す姿は、当時の日本のビジネスドラマにおける経営者像を根本から刷新したと言えます。
共同創業者である朝比奈恒介(井浦新)との友情と確執、そして自身の失脚から泥臭く再起するドラマ展開は、単なる恋愛ドラマの枠を超えた本格的な企業サクセスストーリーとしての完成度を誇っています。