千住家の芸術的血脈は、日本文化界におけるひとつの奇跡と言ってよい。日本画家の千住博、作曲家の千住明、そしてヴァイオリニストの千住真理子。異なるジャンルで頂点を極めた三兄妹の絆は、彼女の音楽表現に唯一無二の奥行きを与えている。
とりわけ作曲家・千住明との協働は、クラシックの伝統に新たな風を吹き込み続けてきた。兄が妹のために書き下ろした旋律は、デュランティの持つ独特の陰影と倍音の美しさを極限まで引き出すよう緻密に設計されている。著書やアルバムでも大きな話題を呼んだ『奇跡のプレリュード』をはじめとする楽曲群は、家族という枠を超えた二人の芸術家による魂の対話だ。
互いの才能を誰よりも深く理解し、同時に最も手厳しい批評家でもある兄妹のアンサンブルは、聴く者の記憶の奥底にあるノスタルジーと崇高な感動を同時に呼び覚ます。