フジテレビ系列の平日昼に君臨した冠番組『ライオンのごきげんよう』は、日本の芸能界におけるひとつの到達点だった。前身番組の『ライオンのいただきます』を含めれば、30年以上の歳月にわたって生放送および公開収録の重圧を背負い続けた計算になる。サイコロの出目ひとつでトークを展開するフォーマットは、出演者の素顔を引き出す最高峰のトーク番組として君臨した。
この番組が革新的だったのは、大御所から新人アイドル、文化人に至るまで、どんなゲストが相手でも小堺が「主役」を相手に譲り渡していた点にある。決して自分が前に出過ぎず、相手の言葉を拾い上げ、絶妙な相槌とフォローで極上の笑いに昇華させる。バラエティの荒波の中で彼が確立したこの聞き上手なスタンスは、現在に至るまで多くの司会者にとっての教科書となっている。