W主演を務めた高畑充希と田中圭のケミストリーは、本作を唯一無二の傑作へと押し上げた最大の原動力だ。高畑充希が体現した闇原こころは、太陽光に弱く血を飲まなければ生きられないという特異な宿命を背負いながらも、誰よりも人間らしく、真っ直ぐに生きようともがく女性。キュートな日常の表情から一転、愛する者を守るために見せる剥き出しの感情や絶叫は、観る者の胸を鋭く抉った。
対する田中圭が演じた朝比奈虎松もまた、凄惨な一家惨殺事件の犯人を父に持つという重すぎる十字架を背負っていた。普段の頼れる熱血警察官としての顔と、過去のトラウマに怯え、自分が「殺人者の血」を引いていることに苦悶する脆さ。この光と影の激しい落差を、田中圭は瞳の揺らぎやわずかな呼吸の乱れで見事に表現し切った。
互いに「普通の人間ではない」という秘密を抱え、それでも惹かれ合わずにいられないふたりの抱擁は、甘さ以上に切迫した痛みを伴う。血と雨に濡れながら互いの傷口を確かめ合うようなラブシーンの連続は、日本のテレビドラマの枠を軽々と超える凄みを帯びていた。