Mr.ChildrenやMy Little Loverなど、数々のモンスターバンドやアーティストをプロデュースしてきた小林武史。彼の最大の強みは、アーティストが秘める原石の情熱を、洗練された都会的なポップスへと昇華させる「色彩感覚」にある。
一方、一青窈の魅力は裸足で歌うような野生味と、オリエンタルな情緒を醸し出す独特の歌唱法だ。台湾人の父と日本人の母を持つ彼女のアイデンティティは、歌詞の行間や声の揺らぎに色濃く反映されていた。小林はその情念を押し殺すことなく、ダイナミックな音響設計で包み込むことで、唯一無二の世界観を構築したのだ。