プルトニウムを燃やしながら、消費した以上の燃料を自ら生み出す。この「夢のマジック」を実現するはずだったプロジェクトは、なぜ壊滅的な破綻を迎えたのか。答えはシンプルでありながら、極めて重い。基礎研究から実用化へと飛躍する段階で、巨大科学特有の過信とリスク管理の甘さが露呈したからだ。
1994年の初臨界からわずか1年後、二次冷却系の配管破損によるナトリウム漏れと火災事故が発生した。問題は事故そのものだけではない。現場職員によるビデオ隠蔽工作や不透明な情報公開が国民の不信感を決定づけた。その後の点検漏れ問題を含め、稼働可能な状態にありながら政治と世論の荒波に揉まれ続けた歳月は、結果として維持費だけで1日あたり数千万円という巨額のコストを垂れ流す事態を招いた。