ふたりの原点を紐解くうえで、幼少期から叩き込まれた民謡の存在は外せない。節回し、息遣い、言葉の端々に情感を宿らせる技術。過酷な全国大会の舞台で培われた勝負強さは、声優としての基礎体力として今も強固に息づいている。先に上京し、IAMエージェンシーの門を叩いて道を切り拓いた姉の背中を、妹が確かな実力で追う。安易なコネクションに甘んじることなく、それぞれが自らの名前だけでオーディションを勝ち抜いてきた歴史そのものが、彼女たちの矜持だ。
姉妹でありながら、声質も演じるキャラクターのアプローチも好対照。鈴木愛奈が放つ透明感と情熱が同居するハイトーンボイスに対し、花井美春は芯の通った太い低音から変幻自在のコミカルなトーンまで操る。この絶妙なコントラストこそが、ひとたび同じ空間に立ったときに生み出される強烈な引力の正体である。