なぜ、これほどまでに人々は惹きつけられるのか。その背景には、製麺技術と調理科学の長足の進歩がある。
数年前まで、本格パスタといえばイタリア産デュラムセモリナ小麦100%が常識とされていた。だが現在、市場を絶大な人気で席巻しているのは「国産ハルユタカ」や「ゆめちから」などをブレンドし、独自の低温熟成を施した高加水生パスタだ。うどんやラーメンの文化で培われた日本の製麺技術が、パスタというジャンルで完全に結実した格好と言える。
ソースの進化も目覚ましい。従来の重厚なクリームや油分に頼るのではなく、塩麹や自家製発酵調味料を活用した「軽やかでコク深い」ソースが台頭。午後からの仕事にも響かない軽快さと、満足感の両立に成功している点が、多忙な現代人の心を掴んで離さない。