入浴後、清潔なはずの衣類に袖を通した直後から皮膚がムズムズと熱を帯びる現象。この引き金となっているのが、洗濯後の繊維に付着したまま乾燥した界面活性剤や香料の微粒子だ。健常な肌であれば跳ね返せる微細な異物であっても、角質細胞間脂質(セラミドなど)が欠乏したアトピー性皮膚炎の肌では、異物がダイレクトに表皮深部へと侵入する。
日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも指摘されている通り、アトピー素因を持つ皮膚は外部刺激に対して極めて脆弱であり、接触皮膚炎を併発しやすい。衣類に残った洗剤成分が汗や体温でわずかに溶け出し、角質層のバリアを通過してランゲルハンス細胞を刺激。これがアレルギー性の炎症反応を呼び起こし、耐え難い痒みとなって表出する。洗剤を変えても症状が改善しない場合、問題は「洗浄力」ではなく「すすぎ切れていない残留成分」にあるケースが極めて多い。