この物語の背骨となっているのは、主演を務める窪塚愛流と蒔田彩珠の圧倒的な演技力だ。窪塚が見せる脆くもひたむきな眼差しは、観る者の保護本能と共感を同時に呼び覚ます。感情を爆発させるのではなく、ふとした仕草や沈黙のなかに滲み出る葛藤を繊細に掬い取ってみせた。
対する蒔田彩珠の存在感も見事というほかない。過酷な運命を受け入れつつ、今この瞬間を極上の幸福で満たそうとするヒロインを、凛とした佇まいで体現した。二人が画面越しに交わす視線の温度が、観客の胸を震わせる。青春恋愛ドラマの歴史に新たな足跡を刻む名コンビの誕生を確信させる仕上がりだ。