2000年代初頭のテレビ界において、朝ドラヒロインの座は文字通り全日本人の視線を集める巨大なシンボルだった。淡路島出身の18歳だった少女が、宇宙飛行士を目指すヒロイン・満天を演じた日々。連日連夜の撮影スケジュールと、日本中からの好奇の目。それは栄光であると同時に、一人の若い表現者の自我を押し潰しかねないほどの巨大な重圧でもあった。
「国民的ヒロイン」というレッテルは、ときに役者の未来を縛る強力な呪縛となる。世間が求める「清廉性」と、自身が内に秘める「表現への欲求」。そのギャップに苦しみながらも、彼女は笑顔の裏で静かに自らの牙を研ぎ続けていた。