多くの自治体が手掛けるマスコットは、親しみやすさと愛らしさを第一に設計される。丸みを帯びたフォルム、つぶらな瞳、お辞儀をするお行儀の良さ。だが、このキャラクターにはそんな日和った姿勢など微塵もない。出会った瞬間に間合いを詰め、容赦なく頭部へと噛み付く。容赦ゼロのプレイスタイルである。
「最初は本当に苦情が来ましたよ。『子供のトラウマになる』って」と、初期の展開を知る地元関係者は苦笑する。しかし、守りに走らず「凶暴さ」というエッジを研ぎ続けたことこそが、結果として命取りならぬ生き残りへの鍵となった。媚びない。折れない。媚態を売るゆるキャラ文化に対する強烈なカウンターパンチとして、その立ち位置を唯一無二のものへと昇華させたのだ。