アフリカ勢をはじめとする世界トップ層のスピード化が一段と加速する2026年の世界マラソンシーンにおいて、大迫が選択するレース戦略はきわめて理知的だ。むやみに前半からハイペースに巻き込まれるのではなく、自らの適正ペースと気候、コースの起伏を冷徹に計算し尽くす。
標高の高い高地での合宿と、最新のリカバリーテクノロジーを組み合わせたコンディショニング術は、他の日本人ランナーにとっても貴重なモデルケースとなっている。レース終盤、多くの選手が疲労でフォームを崩す中、一定のピッチを刻み続けて追い上げていく姿は、計算し尽くされた美徳そのものだ。