急速に拡大するペットフード・ペットケア産業の後押しもあり、家庭での手作りごはんや自然派トッピングは一大トレンドと化した。情報誌『いぬのきもち』の読者アンケートでも、手作り食に挑戦する飼い主の割合は年々増加傾向を見せている。
さらに、YouTube (ペットヘルスケアの専門チャンネルやトリマーによる日常Vlog) や、Amazon Prime Videoで配信される動物ドキュメンタリーなどを通じ、「野菜をたっぷり使った彩り豊かな手作りプレート」の映像が日常的に拡散されている。だが、画面越しの見栄えを追求するあまり、犬の生理機能を無視した加熱不足や味付けが横行している現実は否めない。
人間用の煮物をそのまま分け与え、醤油や砂糖、さらには隠し味の玉ねぎエキスで中毒を起こす悲惨なケースが後を絶たない。生のままミキサーにかけただけのスムージーを飲ませ、急性胃腸炎で救急搬送されるケースも報告されている。情報が氾濫する今だからこそ、メディアの演出と獣医学的事実を冷徹に見極める視点が問われている。