二代目中村錦之助の長男として生まれた中村隼人は、いまやTVドラマや新風を吹き込む現代的な舞台でも大ブレイクを果たし、若手歌舞伎俳優のトップランナーとして君臨している。185cmの恵まれた体躯と華のあるルックスで注目されがちだが、彼の本質は父譲りの真面目さと着実な技術にある。
家庭内での稽古は決して甘いものではなかった。二代目錦之助は、自らが先代たちから学んだ型や立ち振る舞い、そして役者としての心構えを、息子・隼人へと徹底的に叩き込んだ。舞台上で親子共演を果たす際、二代目の眼光は鋭い。単なる親バカではなく、一人の厳しい師匠として接する姿。その厳格な師弟関係があったからこそ、隼人は単なるイケメン俳優にとどまらず、歌舞伎の舞台で大役を張れる実力派へと脱皮できたのだ。