一方で、現代の日本の猫事情は決して手放しで喜べる状況ばかりではない。海外からの洋種(純血種)ブームの定着や、都市部の住宅事情の変化により、日本固有の雑種である三毛猫の割合はゆるやかに減少しつつある。
保護猫団体や地域猫活動(TNR活動)の現場からは、野良猫の繁殖防止策が進む一方で、「昔ながらの日本らしい三毛猫を見かける機会が減った」という声も聞かれる。地域社会と猫の共生を目指す施策は成熟を見せているものの、血統としての偏りや遺伝的多元性の維持には新たな課題が浮上している。
2026年の現在、保護猫譲渡会では「雑種こそが世界に1匹だけのプレミアム」という価値観が定着しつつある。特定の品種を作るブリーディングではなく、自然の偶然が作り出した奇跡を尊ぶ風潮が、若い世代を中心に広がっているのは心強い変化だ。