6月3日という日付には、私たちの安心・安全な暮らしやグローバルな環境問題に直結する重要な記念日が集約されています。行政機関の告示資料や国連決議を検証すると、単なる語呂合わせではない、法制度と国際合意に裏打ちされた明確な制定理由が浮かび上がってきます。
まず国内において特筆すべきは、「測量の日」です。この記念日は、1949年6月3日に日本の社会資本整備の根幹となる「測量法」が公布された史実に基づき、満40周年にあたる1989年に当時の建設省(現・国土交通省)と国土地理院が主導して制定しました。道路、鉄道、住宅建設からスマートフォンで誰もが日常的に使うデジタルマップに至るまで、すべての正確な位置情報は国家標準の測量データに依存しています。近年ではドローンによる3次元点群測量や衛星測位(GNSS)の進展により、災害時の迅速な状況把握にも測量技術が不可欠となっています。
一方、国際社会に目を向けると、2018年4月の国連総会において全会一致で採択された「世界自転車デー(World Bicycle Day)」がこの日に定められています。世界193の加盟国が賛同したこの国際デーは、自転車が単なる移動手段にとどまらず、二酸化炭素を排出しない環境負荷ゼロの交通モードであり、あらゆる社会的階層に対して健康と公平な移動の自由をもたらす持続可能なツールであることを称える目的を持っています。
さらに、長崎県島原市などでは1991年に発生した火砕流惨禍を忘れないために「雲仙普賢岳祈りの日」として定例行事が執り行われるなど、6月3日は「測量による国土の維持」「環境調和型の移動」、そして「過酷な自然に対する慰霊と防災の誓い」という、人類の生存基盤に関わる重層的な意味を帯びています。