やなせの生み出した生々しい言葉に、疾走感あふれるモダンな生命を吹き込んだのが作曲家・いずみたくだった。当時、日本の音楽産業における童謡は、どこか教条的で静かな叙情歌が主流を占めていた。そこへ持ち込まれたラテン調のリズムと力強いメロディは、旧態依然とした業界の常識を打ち破る痛快な挑戦だった。
ボニージャックスの歌唱によって世に放たれた楽曲は、子どもたちだけでなく、高度経済成長期の熱気と疲弊の狭間にいた大人たちの心をも捉えた。いずみたくのモダンなポップセンスとやなせの詩情の融合は、童謡を「大衆音楽の最先端」へと押し上げ、半世紀以上が経過した現在もカバーされ続けるスタンダードナンバーとしての地位を確立させた。