『魅せられて』を語る上で欠かせないのが、両手を広げると現れる巨大な白いドレスの演出だ。あの息をのむような視覚効果は、ファッションと日本の先端素材技術が融合した結晶だった。
幅数メートルにも及ぶ巨大な布地を軽やかに舞わせるため、素材には東レ株式会社が開発した超軽量・高強度の特殊シルク調ポリエステル素材が採用された。重力に逆らって美しく広がり、テレビカメラの強いライトを浴びてもギラつかず、柔らかく光を透過させる質感。棒を仕込んだ袖を完璧な角度で掲げ続けるため、ジュディ・オング自身も過酷な体幹トレーニングを重ねて本番に臨んでいたという。妥協なきプロフェッショナリズムが、あの神話的なビジュアルを完成させた。