この街が雑貨の聖地と呼ばれる礎を築いたのは、間違いなく老舗たちの存在だ。1970年代から日本の生活様式に寄り添い続けてきた「私の部屋 自由が丘店」に足を踏み入れると、どこか懐かしく、それでいて現代の食卓にも自然に馴染む和洋折衷の上質なテーブルウェアが迎えてくれる。季節の移ろいを丁寧にすくい取るディスプレイは、見ているだけで背筋がすっと伸びる。
そこから数分歩けば、IDÉE(株式会社良品計画)のフラッグシップショップが堂々たる佇まいを見せる。地下から最上階まで、オリジナル家具と世界中から買い付けられたアートやクラフトが重層的にレイアウトされた空間は、まるで美術館だ。日常にアートを取り入れるという贅沢を、肩肘張らずに提案してくれる場所として今も圧倒的な求心力を保っている。