長崎県内には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録された集落が点在する。平戸においても、春日集落や安満岳など、信徒たちが独自の信仰を隠し守り抜いた歴史が色濃く残る。文化庁による保護施策も進み、国内外の関心は年々高まる一方だ。
遠藤周作の不朽の名作を実写化した映画『沈黙 -サイレンス-』がNetflixをはじめとする動画配信プラットフォームで世界的に視聴されるいま、現地を訪れる旅人のまなざしはより深くなっている。潜伏キリシタンたちが守り抜いた信仰の灯火が、明治以降の信仰解禁を経てこの聖堂の建設へと結実した。その事実を知ることで、ただの風景だった建造物が、圧倒的な熱量を帯びた物語として立ち現れてくる。