現代のリスナーにとって、音源の進化を最も手軽かつ如実に体感できるのが各ストリーミングサービスでの比較試聴だ。配信プラットフォームごとの特性と、再生環境の違いによって、今回のedit版はそれぞれ異なる表情を見せる。
YouTubeでは、誰もが一度は目にしたことのあるあの「黄色いソファ」のミュージックビデオがリマスター映像とともに親しまれているが、視覚情報と連動した音の立体感は、かつてのブラウン管テレビから流れていたモノラル寄りの響きとは完全に別物だ。画面の奥行きとシンクロするように広がるステレオフィールドが、当時の衝撃を現代の解像度で鮮やかに再構築する。
Apple Musicの空間オーディオ(Dolby Atmos)環境で聴くedit版は、もはや別次元の音楽体験と言っていい。リスナーの頭上や背後へとシームレスに回り込むバッキングボーカルの配置は、まるで宇多田ヒカルのプライベートスタジオの真ん中に立たされているかのような錯覚を抱かせる。一方、Spotifyのロスレス再生環境では、低音域のタイトなアタックと輪郭の明瞭さが際立ち、スマートフォンのイヤホンであっても、ベースラインの細かなアーティキュレーションを克明に聴き取ることができる。