警察組織を描く作品の歴史において、大きな転換点となったのが大ヒットドラマ『教場』である。警察学校という閉ざされた極限状態を舞台に、冷徹無比な教官・風間公親を演じた木村拓哉の圧倒的な存在感は、従来の学園ドラマや警察モノの概念を根底から覆した。
木村拓哉が見せた白髪と義眼の佇まいは、一切の甘えを許さない圧倒的な凄みと同時に、底知れぬ美しさを漂わせていた。極限状態に追い込まれる若き生徒たちとのヒリヒリするような心理戦は、視聴者を息をのむサスペンスの世界へと引き込んだ。本作によって「警察もの」は単なる事件解決の手順を描くものではなく、人間の業や本質を炙り出す重厚な人間ドラマへと昇華されたのだ。