映像表現の進化において、日本の映画産業が果たした役割は極めて大きい。1970年代から80年代にかけて、東映はオカルトホラーや特撮技術を駆使し、人間の情念や怪奇現象を圧倒的なヴィジュアルでスクリーンに焼き付けた。そのドロドロとした怪異のリアリティは、当時の観客に強烈なトラウマを残した。
続いて角川映画が角川ホラー文庫を中心としたメディアミックス戦略を展開。洗練された映像美と都市型の恐怖を融合させ、恐怖を洗練された大衆エンターテインメントへと変貌させた。こうした邦画黄金期の試行錯誤が、現代作品における視覚的・心理的仕掛けの技術的土台となっている。