青森県西部に広がる津軽平野。日本海沿いを走る人気ローカル線・JR五能線に揺られて木造駅に降り立つと、改札を出る前にまずその圧倒的な外観に目を奪われます。駅舎正面の壁面全体を覆い尽くすように鎮座しているのは、高さ約17.3メートルにも及ぶ巨大な遮光器土偶です。
地元で親しみを込めて「しゃこちゃん」と呼ばれるこのモニュメントは、北方民族が雪中の眩しさを防ぐために用いた「遮光器(スノーゴーグル)」に似た大きな目や、豊かな文様が施された胴体など、本物の土偶の特徴を忠実に立体再現しています。そのあまりに前衛的かつ大胆なデザインから、1992年の完成時には「東北の駅百選」にも選定されました。
単なる看板や置物ではなく、駅舎の建屋構造そのものと土偶の身体が一体化しており、足の間をくぐり抜けて改札口へと向かう設計は、訪れる観光客に日常から異空間へと迷い込んだかのような強い驚きを与え続けています。