「盗む」の英語表現で最も多くの学習者が混乱するのが「steal」と「rob」の使い分けです。日本語ではどちらも「盗む」「奪う」と訳されますが、後ろに置く目的語の性質が根本から異なります。
基本ルールは明快です。「steal + 物」であり、「rob + 人・場所」となります。stealは「こっそり持ち去る行為」そのものに焦点を当て、robは「脅迫や暴力などを用いて人や場所から奪い取る行為」を指します。
文法構造を整理すると、以下のパターンに集約されます。
- steal [物] from [人・場所]:〜から[物]をこっそり盗む
- rob [人・場所] of [物]:〜から[物]を力づくで奪う
ここで日本人英語で最も多発する間違いが、「I was stolen my bag.」という表現です。受動態の主語に「I」を置いてしまうと、英語ネイティブには「私自身が誰かに盗品として持ち去られた」という奇妙な意味に聞こえてしまいます。自分の持ち物を盗まれた場合は、「My bag was stolen.」または「I had my bag stolen.」と表現するのが正確です。
また、過去形・過去分詞の変化にも注意を払う必要があります。stealは不規則変化動詞で「steal - stole - stolen」と変化します。一方、robは規則変化ですが語尾のbを重ねて「rob - robbed - robbed」となります。
具体的な例文で違いを体感してみましょう。
- Someone stole my wallet on the train.(電車内で誰かに財布を盗まれた)
- Two masked men robbed the local bank yesterday.(昨日、2人組の覆面男が地元の銀行を襲った)
- The armed criminal robbed the tourist of all his cash.(武装した犯罪者が観光客から全現金を強奪した)