「消費期限を過ぎても1〜2日なら大丈夫か」という問いに対する結論は極めて明確だ。原則として、1日でも過ぎたものは口にすべきではない。安全係数が考慮されているとはいえ、それは未開封かつ規定の温度(通常10℃以下)で適切に冷蔵保存されていた場合に限られる。一度でも室温に放置されたり、冷蔵庫の開閉で温度が上がったりしていれば、菌の増殖速度は一気に跳ね上がる。
特に以下の兆候が現れている場合は、迷わず廃棄を選択しなければならない。
酸っぱい異臭やアンモニア臭、アルコール臭が鼻をつく状態は、腐敗細菌が有機物を分解している決定的な証拠だ。表面にネバつきや糸引きが見られる場合もアウトである。ひき肉や刺身のドリップ(赤い液体)が濁り、身が黒ずんでいるのも危険なサインだ。また、真空パックや密封容器がパンパンに膨張している現象は、嫌気性菌がガスを発生させている危険な状態を示している。
「加熱すれば菌は死ぬ」という思い込みも危険だ。細菌そのものが死滅しても、増殖の過程で産生された毒素(黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンなど)は熱に極めて強く、通常の加熱調理では無毒化できない。