失火を引き起こし、車体をガタガタと揺らす不具合の9割近くは「点火系」と「吸気・電子制御系」の部品トラブルに集約されます。現場の整備記録から、疑うべき代表的な部品と特有の症状を整理しました。
まず圧倒的に多いトラブルが、イグニッションコイル故障の症状です。イグニッションコイルはバッテリーの12V電圧を2万〜3万Vの超高電圧に昇圧し、スパークプラグに火花を飛ばさせる重要部品です。熱や経年劣化によってコイル内部がショートまたは断線すると、火花が飛ばなくなりミスファイアを誘発します。発進時や上り坂など、負荷がかかる場面で顕著に現れる加速時の息継ぎとノッキング現象は、コイル劣化の典型的な初期症状です。
消耗品としての管理を怠りがちなスパークプラグ自体の摩耗も重篤な原因になります。電極がすり減って火花ギャップが広がると失火を招き、未燃焼ガスが排気系へ流出します。イリジウムプラグであっても走行10万km、一般プラグであれば走行2万〜3万kmが寿命の目安です。
一方で、振動の程度が比較的穏やかで、単にエンジン警告灯が点灯しているケースでは、O2センサー故障の症状と交換時期がフォーカスされます。O2センサーは排気ガス中の酸素濃度を測定して燃調(空燃比)を補正するセンサーですが、煤(すす)や熱劣化によって機能停止すると燃費が著しく悪化します。O2センサー単体の不調であれば、いきなりエンジンが止まるリスクは低いものの、放置すれば触媒や点火系へ過大な負荷をかけ続けることになります。一般的に走行8万〜10万km、あるいは新車登録から7〜8年が交換推奨時期とされています。