世界の古い国ランキングを徹底比較した際、世界中の人々が最も強い関心と疑問を抱くのが、「なぜエジプトや中国ではなく日本が世界最古としてギネス認定されているのか」という点です。その答えの核心は、ギネス世界記録が公式に認定している項目名が「Oldest continuous hereditary monarchy(現存する世界最古の世襲王朝)」であることに集約されます。
日本の建国日は、国家の公認文献である『古事記』や『日本書紀』において、神武天皇が橿原の宮で即位した紀元前660年1月1日(新暦換算で2月11日・現在の建国記念の日)と定められています。この紀元前660年を起点とすれば、日本の歴史は2026年現在で「2686年」という驚異的な年月に達します。
歴史学界では、初期の天皇の寿命の長さ(いわゆる春秋倍暦説)などから、神武天皇から開化天皇までの初期天皇は神話的性格が強いとする見解が一般的です。しかし、学術的に実在が疑いようのない第26代・継体天皇(西暦500年代初頭に即位)や第29代・欽明天皇(西暦539年即位)を起点にしたとしても、日本の皇室は1500年以上にわたり血統の断絶なく皇統を繋いできました。この実証的な1500年という年月だけでも、デンマークやイギリスを大きく引き離して世界最長です。
対照的なのが、古代文明を誇るエジプトや中国の歩みです。エジプトには紀元前3100年頃の第一王朝以来、燦然たる歴史が存在します。しかし古代エジプト王朝はペルシャ帝国、マケドニアのアレクサンドロス大王、古代ローマ帝国に滅ぼされ、その後はイスラム帝国、オスマン帝国、大英帝国の植民地支配を受けました。現在国連に加盟している「エジプト・アラブ共和国」は、1952年のエジプト革命を経て1953年に成立した極めて若い共和国です。
中国も同様です。歴代の王朝が幾度となく交代する「易姓革命(えきせいきゃくめい)」の思想のもと、前の王朝の支配層は根絶やしにされ、法体系も都も刷新されました。元(モンゴル帝国)や清(満州族)のように異民族による征服王朝の時代も長く、現在の「中華人民共和国」は1949年10月1日に毛沢東が天安門で建国を宣言した社会主義国家です。中国5000年の文明の蓄積と、1949年に誕生した現代の主権国家とは、主権・政体の連続性という観点において完全に切り離して捉えられます。