雨の日における利用者の実感はどうでしょうか。SNS、大手育児コミュニティ、5ちゃんねる(現5ちゃんねる掲示板)の書き込みを分析すると、通勤ライダーと子育て世代の間で明確な悲鳴が上がっています。
都内の認可保育園に2人の子どもを通わせる30代女性は、当時の心境を手記のようにリアルに振り返ります。
「子どもを前後に2人乗せると、車体と合わせて総重量は100kgを超えます。雨の日の朝、横断歩道の白線の上でブレーキをかけた瞬間、後輪が一気に外側へ横滑りして激しくスリップしました。幸い足をついて耐えましたが、心臓が止まるかと思いました。ネットで『電動自転車は雨の日に乗らない方がいい』と言われる本当の理由は、壊れるからではなく、止まれない・滑って転ぶからなのだと身をもって知りました」
警察庁および交通安全協会の調査データによると、自転車の雨天時スリップ転倒事故の発生率は晴天時の約3倍に跳ね上がります。特に電動アシスト自転車は、ペダルを踏み込んだ瞬間に強力なアシストトルクが前輪または後輪にかかるため、濡れた路面では「発進時」にもスリップが発生しやすい特性を持っています。
滑りやすい危険スポットは日常のあらゆる場所に潜んでいます。
- マンホールの鉄蓋:晴天時の数分の一まで摩擦係数が激減し、少しでも傾いて侵入すると即座に前輪が逃げます。
- 道路の白線・黄色塗装:ペイントに含まれるガラスビーズと油膜が雨水と混ざり、氷上のように滑ります。
- 工事現場の敷鉄板:凹凸があるように見えても、濡れたゴムタイヤを弾くため急ブレーキ厳禁です。
- グレーチング(金属製側溝蓋):タイヤが隙間に取られるだけでなく、濡れた金属面が滑りを誘発します。
現場の実態を見る限り、雨の日の電動自転車スリップ・転倒対策は「スピードを晴天時の半分に落とすこと」、そして「アシストモードをあえて最も弱い『エコモード』に落として急発進を防ぐこと」がプロ推奨の現実解です。