ここで、初心者が陥りがちな注意点に触れておこう。最も多い失敗例が、直訳にこだわりすぎて「I came back.」と言ってしまうケースだ。文法的には間違いではないが、ネイティブの耳には「私は戻ってきました」という客観的な事実の述懐に聞こえ、挨拶としての温かみが欠けてしまう。
また、誰もいない無人の部屋に向かって大声で「I'm home!」と叫ぶのも、英語圏では少し異様な光景に映る場合がある。日本語の「ただいま」は無意識の独り言としても成立するが、英語の帰宅フレーズは基本的に「聴き手」がいることを前提としているからだ。一人暮らしの帰宅時であれば、静かに荷物を置くか、愛犬や愛猫に向かって「Hey buddy, I'm back!」と声をかけるのが自然だろう。
シチュエーションを無視した機械的なフレーズの連用は、時に不自然な印象を与えてしまう。誰に、どんな目的で声をかけているのかを常に意識することが重要だ。