神奈月さんの豊富なものまねレパートリーの中でも、萩原流行ネタは転換点となった重要作です。このネタが誕生した背景には、1990年代後半から2000年代初頭にかけてのテレビバラエティの熱気がありました。
当時、萩原流行さんは本格派の舞台俳優・映画俳優でありながら、『マジカル頭脳パワー!!』や『投稿!特ホウ王国』『踊る!さんま御殿!!』などのバラエティ番組に多数出演。真面目でダンディな佇まいから突如として繰り出される天真爛漫なリアクションや、妻・まゆ美さんへの底知れぬ愛情を語る姿がお茶の間の人気を博していました。
神奈月さんは、萩原流行さんが持つ「シリアスな大人の色気」と「バラエティで見せる無邪気なテンション」のギャップにいち早く着目。当時を振り返るインタビューや番組証言によると、神奈月さんは単に声を真似るのではなく、「バラエティでテンションが最高潮に達した瞬間の萩原流行」を切り取って増幅させる手法を選びました。
日本テレビ系の看板特番『ものまねバトル』でこのネタが初披露されると、スタジオは爆笑の渦に包まれました。誇張しすぎているにもかかわらず、本人の本質的なチャーミングさを完璧に捉えていたため、一躍お茶の間の定番ネタへと駆け上がったのです。