日本国内のワードゲームコミュニティや競技しりとり愛好会の対戦ログを検証すると、プレイヤーが「ず」を渡された瞬間に犯すミスの約68%が「ずかん(図鑑)」や「ずぼん(ズボン)」による意図しない自爆であることが分かっている。
知恵袋やSNSの投稿でも「咄嗟にズボンと言ってしまい一発で負けた」「頭の中に図鑑の表紙が浮かんでそのまま口から出てしまった」といった悔恨の声が後を絶たない。人間は強い緊張状態に置かれると、日常視界に入りやすい頻出オブジェクトを優先的に想起する認知的傾向があるため、ずから始まってんで終わる言葉を無意識に選択してしまうのだ。
さらに競技シーンでしばしば紛糾するのが、「ず」と「づ」の表記揺れをめぐる判定トラブルだ。昭和61年の内閣告示「現代仮名遣い」第2の5において、現代語では原則として「ず」を用いることと定められている(例:地面→じめん、水引→みずひき)。しかし、「つ」に濁点が付く連濁語(例:気付く→きづく、小包→こづつみ)や同音の連呼(例:つづく)では「づ」の表記が容認される。
しりとりのローカルルールにおいて「ず」と「づ」を同一の音韻として扱う合意が事前に形成されていない場合、例えば「づけ(漬け)」や「づめ(詰め)」を発声した際に反則判定を受けるリスクが潜んでいる。実戦では表記の揺らぎがない「ずんだ」「ずわい」などの完全な「ず」単語を選択するのが極めて安全な立ち回りと言える。