ネット上の美容情報で頻繁に見かける「ポアプライマーで毛穴をフラットに埋める」という手法ですが、ここには重大な落とし穴が潜んでいます。
ジメチコンやシクロペンタシロキサンなどのシリコーン成分を高配合したポアプライマーは、塗った直後こそ滑らかな陶器肌を演出します。しかし、皮脂分泌の激しい鼻頭や小鼻周り(いわゆる「いちご鼻」)に厚塗りすると、皮膚呼吸や自然な皮脂の排出が妨げられ、体温で温まった皮脂がプライマーの油膜を内側から押し上げてしまいます。結果として、下地ごとファンデーションがドロドロに分離し、回復不能な崩れを引き起こします。
ポアプライマーの正しい使い方は、「米粒半分以下のごく少量を指先に取り、毛穴の下から上へ向かって擦り込まずに優しくなじませる」ことです。面全体に塗るのではなく、特に気になる窪みにのみピンポイントで使用しなければ、余計な油膜となってファンデーションの密着を阻害します。
また、いちご鼻をカバーする下地選びにおいても、「ベージュ色のコンシーラーや重い下地で黒ずみを塗り隠す」のは逆効果です。毛穴の黒ずみは酸化した皮脂と角栓であり、そこに高カバーな顔料を重ねると色の段差が灰色に濁って見えてしまいます。補色効果のあるイエローやオレンジ寄りの薄膜コントロールカラーを少量仕込み、色ムラを中和した上で光を反射させるのが現場の定石です。