米穀業界や農林水産省の規格において、お米の呼び名は「米穀年度(11月1日〜翌年10月31日)」を基準に分類されます。その秋に収穫されたものが「新米」、収穫翌年の米穀年度を越えたものが「古米」、そして収穫から2年以上(2米穀年度以上)経過したものが「古古米」と呼ばれます。さらに3年以上経過したものは「古古古米(こここまい)」と称され、年を追うごとに米粒内部の物性は著しく変質していきます。
お米の酸化と劣化原因の中心にあるのは、米粒の表層に含まれる中性脂質の酸化分解です。米は精米した瞬間から空気に触れ、リパーゼという酵素の働きと酸素によって脂肪酸が遊離します。これがさらに酸化されると、「ヘキサナール」や「ペンタナール」といった揮発性アルデヒドが生成されます。これこそが、鼻を突く「古米臭」の正体です。
同時に、内部のデンプン分子(アミロースおよびアミロペクチン)の結合が強固になり、組織が硬化する「老化」が進行します。この状態の米は水を吸いにくく、通常の炊飯では糊化(α化)が中心部まで十分に到達しません。これが、古古米特有の「表面はふやけているのに芯はボソボソと硬い」という最悪の食感を生み出す構造的要因です。